天然保湿因子とは、細胞内にある保湿成分です。天然保湿因子は、尿素やアミノ酸類、乳酸、クエン酸塩から構成され、肌保湿に効果を発揮します。角質細胞間脂質のセラミドに比べると保湿能力はそれほど高くありませんが、肌保湿を促す重要な要素には変わりありません。
冬の乾燥した時期には、天然保湿因子の効力が低下します。細胞内の尿素やアミノ酸の不足が原因ですから、尿素配合の保湿剤やアミノ酸配合の保湿剤が有効になります。天然保湿因子は水溶性ですから保湿剤に適しているという特徴があります。※天然保湿因子:NMF(ナチュラル・モイスチャライジング・ファクター)
ではセラミドはどのくらい肌にとって効果的な保湿機能を持ち合わせているのでしょうか。セラミドは、肌(皮膚)の表面の角質層の角質細胞を構成し、角質細胞中の保湿機能を高め永続させる機能を持ち合わせています。
肌表皮の角化の過程において、有棘細胞〜顆粒細胞で形成される層板顆粒から角質層に供給されるセレブドシドが酵素セレブロシダーゼによってセラミドに変化し、これが角質細胞間に連続的なラメラ構造を再配列して、不溶性の理想的なブロック構造を形成します。
このセラミドが不足すると、肌(皮膚)の保湿力が低下し水分が不足しはじめます。保湿力を失った肌は乾燥しやすくなりバリア機能が破壊され外的刺激から身体を守れない状態になります。さらにセラミドの機能が低下すれば、乾燥肌や敏感肌、さらにはアレルギー性疾患を誘発する可能性が高まるのです。