ヘリコバクターピロリ菌とは、胃の中に住みつき胃の痛みや吐き気を誘発する菌です。いわゆる、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因として、ヘリコバクターピロリ菌が注目されています。
これまでは、胃酸の強い環境のもとではこのピロリ菌は棲息できないと考えられていました。しかし、この細菌自体が持つウレアーゼという酵素が、胃内の尿素を分解して作るアンモニアによりその酸を中和し、胃の中で棲息していく環境を整えていることが解明されてきたのです。
実は成人の約3割がヘリコバクターピロリ菌に感染していると言われています。そういう意味では誰でもヘリコバクターピロリ菌の影響を受ける可能性があるわけで、もし発症し悪化すると胃潰瘍や胃がんに至る場合もあるので注意が必要です。
1994年WHO(世界保健機構)の国際癌研究機関が、ピロリ菌を確実な発癌因子に指定しました。もちろん感染者のすべてが癌(がん)になるわけではありませんし、多くの感染者は、症状の出ないままで慢性胃炎になるというケースがほとんどでしょう。
慢性胃炎になった人でも、症状が全く現れない人と、胃の痛み・もたれ感・不快感等の症状が現われる人があります。一部の方は、感染時に急性胃炎(急性胃粘膜病変)になり、激しい痛みをともなうこともあります。
ヘリコバクターピロリ菌によって胃粘膜が炎症するとじんましん(蕁麻疹)が誘発される場合があります。慢性じんましん(蕁麻疹)で、胃の調子が悪い、吐き気が止まらないなどの症状の場合は専門医に受診し胃カメラや血液検査などを行う必要があります。