貨幣状湿疹は、強いかゆみを伴います。
貨幣状湿疹が発症すると10円玉状の境界が明確な赤みを帯びた湿疹が出来ます。
かゆさのあまり湿疹箇所をかいてしまうと、悪化し二次感染を誘発し、場合によっては身体全体に波及することもあります。しかしその場合でも他人に感染することはありませんのでその点においては安心です。
湿疹は少し水分を含んだ水泡状の場合が多く、びらんやかさぶたが見られるのが特徴です。患部が数ミリから5cmにも及ぶ貨幣状湿疹は、主に足ひざ下のすね部分に出来ることが多い傾向にあります。
貨幣状湿疹は、湿疹の境界線がはっきりしているので比較的診断しやすい皮膚疾患のひとつです。アトピー性皮膚炎や接触皮膚炎の一部が貨幣状湿疹になる場合もありますので、診断は困難な側面もあります。
貨幣状湿疹の治療は、専門医を受診し適切な治療法のもと、抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤を服用するのが基本となります。
もっとも貨幣状湿疹は症状をそれ以上拡大させないことが重要になります。貨幣状湿疹は、大きさ(サイズ)、形状で確認しやすく、色も赤いので分かりやすい部類の皮膚疾患ですが、とにかく患部をかいたり、刺激したりしない事。非常に簡単なことですが、かかないことが貨幣状湿疹の最大の予防薬となるのです。
稀に専門医が処方する抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤を服用しても治癒しないケースがあります。そんな時は、外用薬としてステロイド剤を使用することもあるでしょう。さらに症状が重度の場合は、ステロイド剤を服用したり、場合によっては入院による集中治療も必要になります。